電子マニフェスト制度
電子マニフェストとは、紙マニフェストで行っていた排出事業者、収集運搬業者、処分業者間の運搬・処分報告・確認等の作業を情報処理センター(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)のシステムを利用して行うものです。これによって、情報管理の合理化、廃棄物処理システムの透明化、都道府県等の監視業務の合理化、不適正処理の原因究明の迅速化を図ることが主な目的とされています。環境省は、電子マニフェスト普及拡大に向けたロードマップの中で、2022年中に電子マニフェストの普及率を70%まで引き上げることを目指しています。現在、電子マニフェストが義務化されているのは、「前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)の発生量が50トン以上の事業場を設置しており、その処理を委託している事業者」に限られていますが、今後電子マニフェスト義務化の範囲は拡大していくと考えられます。
電子マニフェストを利用する意義
産廃の処理業者は、「排出事業者が電子マニフェストを利用していないから、紙マニフェストしか利用していない」という処理業者が多いようです。電子マニフェスト導入により、排出事業者及び産廃処理業者は、手作業で行っていたマニフェストの照合確認作業やマニフェストの郵送・保管場所の確保・マニフェスト管理の作業がなくなること、産業廃棄物管理票交付等状況報告の提出の省略など様々なメリットを受けることができます。さらに、産業廃棄物収集運搬及び処分の全過程において処理の合理化・透明性が確保され、不法投棄の問題などを未然に防ぐ抑止力にもなります。排出事業者及び産廃処理業者は、積極的に電子マニフェストを利用して、社会全体で廃棄物処理の合理化・透明化を進めることが求められています。